オンラインで再開された『彼岸の図書館』著者の青木真兵さんによるトークイベントツアー。
5回目のゲストは、社会思想史研究者の百木漠さんです。
皆さんは、「働く」にどんなイメージを持っているでしょうか?
できればしたくないもの? 自己実現のために必要なもの?
百木さんは大学卒業後、約3年間サラリーマンとして働いた経験をお持ちです。そのなかで次第に日本人の働き方に疑問を持つようになり、会社を退職し大学院に入り直して、ハンナ・アーレントやカール・マルクスの労働思想を研究するようになったそうです。
なぜ日本人が今でもこれほど長時間労働を続けているのか、なぜ現代社会では「働くこと」にこれほど重きが置かれているのか。これらの問いに、自分自身の言葉で説明を与えてみたいと考えて、アーレントとマルクスの思想を手がかりにしながら研究を進めてこられました。
アーレントは公共空間における他者とのコミュニケーションとしての「活動」、耐久的なモノを作る「仕事」、そして生活を維持するために行う「労働」の順に重要であるとしましたが、今の日本ではコミュニケーションや創作物を含むすべてが生産性とお金、つまり「労働」に飲み込まれてしまっています。
どうすれば、「労働・仕事・活動」の3つをバランスよく保つことができるのでしょうか。
今回はハンナ・アーレントと、「彼岸」と「此岸」を行き来し図書館という公共空間を手作りする青木さんをヒントに、これからの「働く」について考えます。
人が働くことの意味を意識し、今自分が3つのどれを行っているのか整理してみると、ぐっと気持ちが楽になると思います。
『彼岸の図書館』増刷記念ツアー「お元気ですか」online⑤
これからの「働く」を考える——「労働」から「仕事」へ
百木漠×青木真兵
日 時 2020年8月9日(日) 20:00-21:30 →終了しました!
参加費 以下のURLよりチケットをご購入ください。zoomの招待URLなどをお知らせします。
1)をご購入の方は招待URLなどが記されたPDFをダウンロードいただきます。
2)『彼岸の図書館』2刷(2200円)+参加費(1000円)+夕書房通信=3200円(税込)*通常200円の送料をサービス!
3)『彼岸の図書館』/青木夫妻サイン入(2200円)+参加費(1000円)+夕書房通信=3200円(税込)*通常200円の送料をサービス! *限定10冊
4)『失われたモノを求めて 不確かさの時代と芸術』池田剛介著(通常2640円のところ2400円)+参加費(1000円)+夕書房通信=3400円(税込)*通常200円の送料をサービス! *限定10冊
参加方法
本イベントは、ビデオ会議システム「Zoom」のミーティング機能を使って行います。
あらかじめPCやスマートフォンにZoomをインストールの上、ご参加ください。
*参加の際は音声をミュートに設定してください。差し支えのない方はぜひビデオをオンに。
*質問タイムにはチャットにて議論にご参加いただけます。
*終了後、トークのアーカイブ動画をお送りしますので、当日参加できなくても大丈夫! 復習もできます。
プロフィール
百木 漠 (ももき・ばく)
社会思想史家。1982年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究家博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。単著に『アーレントのマルクス 労働と全体主義』(人文書院)、共著に『現代社会理論の変貌 せめぎあう公共圏』(日暮雅夫・尾場瀬一郎・市井吉興編、ミネルヴァ書房)、『生きる場からの哲学入門』(大阪哲学学校編、新泉社)、『漂泊のアーレント 戦場のヨナス ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』(戸谷洋志、慶應義塾大学出版会)などがある。
人文系私設図書館ルチャ・リブロ
青木真兵(あおき・しんぺい)
「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター。1983年生まれ。埼玉県浦和市に育つ。古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)研究者。関西大学大学院博士課程後期課程修了。博士(文学)。2014年より実験的ネットラジオ「オムライスラヂオ」(https://omeradi.org/)の配信がライフワーク。障害者の就労支援を行いながら、大学等で講師を務める。奈良県東吉野村在住。